二一世紀には、縫わない衣服がつくられていくのではないか。手仕事を基盤にした私のアトリエでも、ここ何年か、コンピュータが設置されて便利になった。今までは、一つひとつ画を描いて色をつけていたのに、コンピュータはこちらの指示に従って、たちまち、さまざまな配色のものを現実のイラストにしてくれる。小さな絵を好みの大きさに拡大することも簡単だし、やがてデザイナーや技術者の手が退化して、頭でっかちになってしまうのではないかという。情報化がさらに進化に違いない二一世紀には、私たちの暮らしは、かなり画一的なものになるかもしれない。基本的な着るものはユニホームのようになってしまうのではないか。コンピュータは、インプットされたプログラムに、お客の好みを加えて、一見オーダーメイドに仕上げてくれるだろう。二〇世紀のデザイナーは感性をベースに仕事をしてきたけれど、二一世紀にはデザイナーは、より科学の勉強が必要になってくるに違いない。新しいテクスチャーや機能の開発が最優先される時代になる。私の夢かもしれないが、予感はかなり確かなことにも思われるのである。