やられた!プロも見抜けぬ化粧品選びの落とし穴

2011-04-20

「とにかく肌がキレイになるので使って試してください」とわたしに差し出されたのは、粉石鹸と化粧水、ヒアルロン酸約七〇%の美容液の計三点。ちなみにその製品は、わたしと同い年の女性二人が、代官山にマンションを借りて、通販で販売しているもので、紹介してくれたのはわたしの友人。殺伐としたオフィスは、わたしが今まで見たことのある化粧品会社の、散乱した化粧品や山積みになった書類、鳴りっぱなしの電話、という光景が一切ない(奥にデスクがあるだけ)、とても基礎化粧品を販売しているオフィスとは思えない雰囲気。しかも都会とは思えないほど静かで、出されたお茶を□にできなかったほどです。コタツという音が聞こえそうで。女性のうちの一人は厚化粧で素肌の状態が見えず、その製品のよさを目の当たりにはとてもできません。ただ、肌がしようぶそうという印象は受けました。もう一人の女性は、目の下に脂肪の塊が集中して地図状に広がり、本人いわく有名外資系の美容液を使ってからだと、そのブランドを大批判。さらには、コンビニで買うことができる美容液を棚から取り出して、肌への浸透性を見てほしいと、手の甲で自社と他社を比べる実験を目の前ではじめました。その瞬間、みずみずしい他社の方がはじけ方が激しく、彼女たちが薦めるトロトロを通り越してドロドロの透明のヒアルロン酸に滑らかさを感じたわたしは、思わず、「ほう、すごい!」と感心。ぜひ試してみたいと、わくわくしながら宇宙食のような密閉されたパッケージに三点入った製品(添付されたストローを穴に挿し込むと、空気が抜けて、ボロッと製品が出てくる仕組み)をいただいて、その晩から使いはじめました。二〇〇一年夏。この日がわたしの肌運命を奈落の底へと突き落とすことになるとは……。結果からお話しますと、その三品を使った翌朝、頬が真っ赤になってガサガサボロボロ状態。一日何度も鏡を見ては憂慰になるばかり。以前イギリスの授業中、『脱水肌』という肌質について学びましたが、アトピーとの違いを把握できず、日焼けのひどい状態の肌、ぐらいの認識で帰国。それがまさに自分の肌が『脱水肌状態』に!!!一夜にしてわたしの肌は、猿のように赤ら顔になってしまったのです。会う人会う人の「どうしたの?肌、痛そう」という貢某にもううんざり。それまでのわたしは、ようやく安定した肌を保ち、誉められるほど弾力のあるクリアな肌となっていたのに。ところが、そんな状態にありながらも、肌トラブルの原因がその三品にあるとはまったく思っていませんでした。なぜなら肌に馴染ませてから夜寝るまでの間は、ツルンと滑らかな肌に整って、指で跳ね返るくらいの弾力を覚えていたのです。原因をつきとめようと生活や食事、化粧品を思い返しましたが、これといって心当たりがない。ひっかかるとすれば、三品を紹介した時の二人の女性の説明にたった一つ、曖昧な点があったということ。実はそのたった一点ということこそ、それを明快にさえしておけば、肌トラブルを起こさずにすんだという見逃してはならない最重要ポイントだということを後で知りました。皆ごまかわたしのような失敗をしないように、注意点を肝に銘じていただけたらと切実に思い、ここでありのままをお伝えいたします。では、その曖昧な点についてのやり取りを再現してみましよう。三品の説明中、女性二人は、「わたしたちのこの製品は、化粧品でも医薬品でもない、中間にありたいんです」と、何度も主張。「つてことは医薬部外品ですか?」と尋ねると、「いや、そうではなくて」といったまま、聞いても聞いても話をはぐらかされて、とうとう話題を切り換えられてしまうハメに。「とにかく今晩から使ってください。よかったら米村さんにうちの製品のオピニオンリーダーになっていただきたいと考えています」。その時わたしの□からパツと出た、「わたしはいち消費者です」というひとことに、二人は一瞬固まって目を合わせて気まずそう。「もう一度伺いますけど、この製品は基礎化粧品ですよね?」しつこいと思われてもいいやと、質問をすると、「そろそろ定時なので」といって片づけはじめ、一部の電気を消して玄関に導かれて鍵までかけはじめる。エレベーターの中で終始二人は、製品についてこれ以上聞かれないようにとばかりに、わたしと同世代であることを話題に、あれこれ近況を聞かれてウザイつたらありやしない。とにかく使ってみなければ感想もお話できないので、といってさっさと帰宅。ちょうどマンネリを感じていた基礎化粧品のいい切り換え時だと、例の三品をすべて使うことに。結果的にはそれらが原因で肌トラブルを引き起こしていたことが、研究所の調べで明確に判明したのですが、それが成分に問題があるだけではなく、はぐらかされた質問の答えこそ、いい加減に流してはいけないわたしの死角部分でした。それは、世の中、化粧品や基礎化粧品として国で認可をもらわなくても、アロマのように『雑貨』として逃げることもできなくはないという、ショックー・な闇の現状。ちなみにその製品を手に取った専門家は、「これ、どこで買ったんですか?中身を調べなくても、こんな恐ろしい成分を堂々と表示している商品が世に出回っているなんて恐ろしい」と、弾かれてしまいました。さらになんとそれを使い続けると、肌が削れて赤みを増すとまで先生がおっしやるのです。それはまさにわたしのこと……。「使いはじめはいいんですよ、角質が落ちるから。その後どんどん皮膚を薄くして、ターンオーバー(肌の生まれ変わる過程)を促進してしまうので、確実に肌は荒れますよ」。そうだったのか。倍々で売上を伸ばしているって女性二人はいってたから、トラブルもその分増えているかと気がかりです。