「科学的根拠」の難しさ

2011-02-02

医者がよいと言うからには、「科学的に」よいのだということを、みんな期待する。しかも、メーカーの人間が言うのと違って、中立的立場、つまり利害に関係ない立場から言っていると思うから、よけいに信じてしまう。そのように影響の大きいことを言うからには、科学的根拠が明白でないといけないのである。それには、最低200人のモニターを使って、1年くらいはテストしないといけない(81頁参照)。しかし実際には、各社の化粧品を比較するモニター検査など、まず行われることはない。莫大な費用がかかるし、やっても誰も得しないからである。つまり、「どの化粧品がよいか」ということは、みんな知りたいけれど、その謎は、科学的に解明されることはなく、謎のままなのである。私見であるが、科学的に検査はできなくても、せめて「化粧品ミシュラン」みたいなものが成立したら、よいかもしれないとは思う。中立的な立場をとることのできる(つまりどこのメーカーともつながりのない)何人かの覆面審査員が、いろいろな化粧品を試して点数をつけ、合計で一ツ星とか三ツ星とかの評価を出す。それを毎年、ミシュランのレストランガイドのように出版したら美容業界は大きく変わるかもしれない。ミシュランの世界みたいに、今までまったく無名だったところがプロの高い評価を受けて、一躍有名になるというのは、消費者にとっても作り手にとっても、とても夢がある話である。こう「ミシュランの三ツ星化粧品」を目指して、毎年、各社がしのぎをけずるというのも、よいことではないかと思うのだが。

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