婚約指輪や結婚指輪のデザインに好んで使われたものに植物がありました。生命の息吹を感じることが影響していましたが、なかでも人気を呼んだのがわすれな草です。花の名前からも想像できるように、「私を忘れないで」という花言葉があることから、好んでエンゲージリングに描かれることになりました。わすれな草の花言葉を刻み込んだ指輪も盛んにつくられました。英語では「FORGETMENOT」の頭文字をとって、ベゼルに「FMN」と刻んだ婚約指輪がこれに該当します。同じように、ドイツ語圏では「VGMN」と刻まれています。このギメル・リングが日本に伝わるまでには、ヨーロッパで流行してから300年以上の時を待たなければなりません。マリッジリングを贈る風習が始まったのは明治時代になってからと、指輪文化が発達するのが遅かった日本でしたが、大正時代初期にはすでにギメル・リングを宣伝する広告がつくられていました。