近年、吸湿性の低い建材の使用や暖房システムの性能向上、さらに家の気密性の向上などで、梅雨時や冬期におけるカビの発生が深刻な問題となっています。日本では昔からカビを食品や調味料の製造に利用してきました。清酒、味噌、醤油、鰹節などはカビの発酵作用の力を借りてつくられてきたのです。さらに医療の分野でも、アオカビを利用してつくられるペニシリンをはじめとした抗生物質の多くはカビから得られたものです。しかし、人の健康に影響を与えるカビは病原真菌という種類のもので、この病原真菌によって自癖、水虫、タムシなどの皮膚病が引き起こされ、さらに食品に発生したカビが持つマイコトキシンという毒素により食中毒を起こす例も多く発生しています。カビは酸素がなければ生息できない微生物ですから、食品や建築材料の表面など、空気との接触面にのみに発生するのが一般的です。しかしカビが生育時に出す毒成分は、食品の深い部分まで侵入している場合もあるので、カビの発生した食品はけっして食べてはいけないのです。