【大門素麺】がわざわざ丸まげ状に丸められているのはなぜ?

2011-01-20

食欲のないときでも「ツルツル」と食べられてしまう、夏の常備食として欠かせないそうめんだが、富山県砺波市には「大門素麺」という、強いこしが自慢の伝統的なそうめんがある。普通のそうめんは、食べやすい長さに切ってあるが、大門素麺は八〇センチ以上、その長さは通常のおよそ三倍とたいへん長く、その長い麺を丸まげ状に丸めているため「丸まげそうめん」とも呼ばれている。では、いったいなぜこのような丸まげ状の形をしているのだろうか。市の特産物を守り伝承するとなみ野農業協同組合大門素麺事業部の話によると、富山の気候が大きく関係しているという。北陸、富山の気候は変わりやすく、とくにそうめんが作られる十月から三月にかけては、さっきまで晴天だったのに急に雨が降ってくるということも多い。たとえば天日でそうめんを乾燥している途中にそうした状況になったら、そうめんが雨で濡れてしまわないように干してあるそうめんを屋内に入れなくてはならない。その際、場所を取らないように束ねておいたのが丸まげ状の形の始まりだという。また、大門素麺が生産されるようになったのは、一八四八年、江戸時代後期のこと。越中国砺波郡(現在の富山県砺波市の付近)の大門の薬売りが能登を回っているときに、加賀前田藩御用そうめんの製法を知り、国へ持ち帰ったという。北陸地方の厳寒な冬期には農作物が育ちにくいため、収入の減ってしまう零細農家の副業として村中に広まっていったというわけだ。

(参考)
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